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執筆者 Maki Miyai
更新済み 2025年11月21日
目次
FXや株式の取引市場は常に揺れ動くもので、株価が上昇して投資家が楽観的になる時もあれば、突如として世界情勢が悪化し、不安が広がることもあります。 そのような市場の変化を客観的な数値として示す存在が、VIX指数です。リスク管理の根幹に関わる指標であり、投資家の心のざわめきを映し出す鏡と言えます。
ポイント
将来30日間の市場変動期待を示し、不確実性と投資家心理を数値化する指標
株価と逆相関になりやすく、短期のリスク管理やヘッジ手段として有効活用ができる
方向予測ではなく揺れ幅の指標であるため、他のデータと併用し過信を避けることが重要
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VIX指数(Volatility Index)とは、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出・公表している、将来のS&P500指数の変動率(ボラティリティ)の予測を表す指数のことです。
市場の不安心理を数値で表すことから、「恐怖指数」とも呼ばれています。
リアルタイムで更新されるため、機関投資家から個人まで幅広いトレーダーが活用しています。
VIX指数が恐怖指数と呼ばれる理由は、値が急激に上昇する局面で多くの投資家が恐怖を覚え、保険としてオプションを買い始めるタイミングだからです。
市場がリスクオフへ傾いたときに、VIX指数は跳ね上がりやすくなります。
危機や地政学リスク発生時には強く上昇し、相場の緊張度を警告します。一方で、低水準は楽観が広がっているサインですが、過度な油断を示している可能性もあります。
年月
主な出来事
VIXピーク水準
2001年9月
アメリカ同時多発テロ
49.3
2008年10月
リーマンショック
89.5
2011年10月
ギリシャ通貨危機
46.8
2020年3月
コロナショック
85.4
2022年3月
ウクライナ情勢の悪化
36.4
VIX指数を理解するには、その裏側にある計算モデルを知ることが欠かせません。
株価そのものではなく、投資家が「どれくらい動く」と考えているかを抽出する高度なプロセスで計算されています。
簡潔な流れは以下のようになります。
対象オプションの抽出:流動性があり、複数権利行使価格のプット/コールを選定する
行使価格ごとに時間価値を計算:市場に織り込まれた「将来の変動期待」の部分だけを取り出す
複数満期のボラティリティを統合:30日先に相当する変動期待へ補間(※二つの満期を組み合わせる)
標準偏差を年率換算:平方根則を使い「30日期待」から「年率ボラティリティ」へ変換
VIX指数の算出には、S&P500を対象にしたコールオプションとプットオプションを使用します。
コールオプション:将来、特定価格で資産を買う権利
プットオプション:将来、特定価格で資産を売る権利
将来のリスク見込みは株価より先にオプション価格へ反映されるため、投資家のセンチメントを捉える手段として極めて有効です。
オプションの価格には、投資家が予想する変動の大きさである「インプライド・ボラティリティ(予想変動率)」が反映されています。
このインプライド・ボラティリティを、権利行使価格のオプション取引から抽出し、平均化して算出します。
市場の急落に対する恐怖心が高まるほど、オプション価格に強く反映されます。
VIX指数は、今後30日間の変動率を年率換算して示すもので、例えばVIX指数が20の場合、1年間で価格が±約20%動くと想定されている状況です。
実務では、30日の予想値を年率に変換するために標準偏差の平方根則を応用しますが、これは投資家が短期と長期リスクを比較しやすくするための工夫です。
VIX指数は特定の満期に近いオプションを中心に、幅広い行使価格からデータを取り込み、時間価値の部分を抽出します。
その際、極端に安いオプションや取引量が乏しいものは除外し、市場を代表する価格のみを使用します。
この厳密なプロセスが、VIX指数の信頼性を支えています。
VIX指数はただの数字ではなく、その上下の背景には、投資家の心理やリスクを取る強気の姿勢が潜んでいます。
数値が意味するサインを理解することで、より効果的な戦略が可能となります。
平常時のVIX指数は10から20程度で推移します。この水準は、市場が安定し、投資家が過度な心配をしていないことを示します。
特に15前後は、比較的健全なリスクオン環境と見なされる場合が多いです。
指数水準
相場状況
投資家心理
10未満
過度に楽観的
危機感ゼロ、過熱リスク
10〜20
通常範囲
適切なリスクオン
20〜30
警戒域
リスクオフ警戒
30~40
危険域
恐怖による売り加速
40以上
異常事態
パニック状態
20を超えると市場に緊張感が強まり、30を超えると恐怖が顕著に現れているサインとなります。
急なニュースや危機が発生した局面では、一気に40や50を上回ることもあります。
一方、10を割り込むような水準は過度な楽観を表す場合があり、相場加熱への警戒が必要とされることがあります。
VIX指数が短期間で跳ね上がった時は、投資家が急速にリスクオフへ移行している証拠となり、株価下落の予兆となる場面が多く見られます。
ただし、その後の落ち着きと共に株価が急反発するケースもあるため、一方向的な解釈には注意が必要です。
VIX指数は単体で使われるだけでなく、さまざまな関連指標が開発されています。
投資商品化されたことで市場への影響力は拡大し、ボラティリティそのものが取引対象となる時代が生まれました。
将来のVIX指数水準を取引できるものが、VIX先物(金融商品)です。
「市場が今後どれほど恐怖を感じるか」を計るための道具であり、株価と異なる値動きをします。
特に、未來のボラティリティ予想を表す価格構造が重要視され、以下2つの局面に分類されます。
コンタンゴ:先物価格が現物より高い状態。市場が落ち着き、時間の経過でボラティリティが低下すると想定されている。
バックワーデーション:現物価格が高い状態。市場が混乱し、近い将来の恐怖が高まっている。
VIX先物を原資産としたオプションがVIXオプションで、取引の自由度が高い点が特徴です。
価格変動そのものに対してロング・ショート戦略を取れるため、より精緻なリスク管理が可能になります。
しかし、オプション特有の時間価値減少があるため、短期活用を基本とすべき商品です。
S&P500以外にも、債券・為替・セクター別に特化したボラティリティ指標が存在します。
例えば、ハイテク株の変動を測る指数や、投資家リスク許容度を示す指標などがあります。
複数の指標を組み合わせることで、資金の流れやセンチメントを多面的に把握できます。
VIX指数は単なる参考値ではなく、明確な投資判断に活かせます。ヘッジ、センチメント指標、ボラティリティ取引など、幅広い役割を持つのが特徴です。
株式市場が不安定になる局面では、ボラティリティを買うことで下落リスクを軽減します。
VIX指数は株価と逆相関が強いため、保険商品として機能しますが、ヘッジには高コストのため、リターンを圧迫しないように注意しましょう。
デリバティブの利用:先物取引、オプション取引、通貨スワップなどを活用し、市場変動による損失を最小限に抑える。
分散投資:異なるリターンの源泉を持つ資産に投資を分散させ、受動的なヘッジング方法としてリスク軽減ができる。
VIX指数などのボラティリティ指標を利用し、市場のボラティリティレベルに合わせてヘッジの比率を調整する動的な戦略も有効です。
市場が動かなくても、ボラティリティだけが上昇する局面は多く存在します。その変化を狙い、VIX先物やスワップ商品で利益を狙う手法が確立されています。
ロング・ボラティリティ:市場が不安定で価格が大きく変動する局面で、ボラティリティの上昇から利益を得る戦略。
ショート・ボラティリティ:市場が比較的安定し、ボラティリティが低下する局面で利益を得る戦略。
ボラティリティの高い銘柄は、短期的な価格変動を狙うトレーダーには狙い目です。
また、ボラティリティの高さはリスクの大きさでもあるため、投資金額の決定や損切り設定など、リスク管理を常に意識しましょう。
投資家がリスクオンかリスクオフかを測る材料としてVIX指数は非常に役立ちます。
同様に、市場心理指数(MMI)は、市場参加者の心理を定量的に評価する指標で、トレーダーはこれらを強力な取引シグナルとして活用します。
急騰時には恐怖が支配し、低下時には楽観が優勢になります。これらの戦略は、組み合わせて利用することで、より効果的なリスク管理とリターン追求に有効です。
VIX指数は幅広い金融商品に組み込まれ、一般投資家もアクセス可能な環境になりました。
その構造は少々複雑なため、事前に十分な理解してから関連商品の取引を試すようにしましょう。
VIX先物への投資成果を目指すETFやETNは、手軽にボラティリティ取引を行える点が人気です。
だたし、指数自体ではなく先物価格に連動するという仕組みにより、思わぬ誤解が発生することがあるので注意が必要です。
ETFは資産保全に強く、ETNは連動精度に優れるという違いがあります。
種類
仕組み
長所
短所
ETF
投資信託(裏に資産あり)
信託法による保護
価格乖離が起きる場合あり
ETN
債券型(発行体の信用に依存)
連動性が高い
発行会社が破綻すると無価値
VIX連動商品の多くは、VIX先物を入れ替えながら運用されるのですが、この 入れ替え作業(ロールオーバー) の際に、より高い価格の期先先物を買う必要がある場面が多くなります。
その結果、買い直しの度にコストが発生し、長期的に商品価値が減りやすいことがリスクとなります。
VIX先物は平常時に 「コンタンゴ」と呼ばれる右肩上がりの価格構造になりやすく、保有期間が長いほど不利に。これが先物ロールコストの構造です。
VIX指数は未来の方向性を示すものではなく、あくまでも「揺れ幅」の指標であることを覚えておいてください。
S&P500オプションを基に算出された30日間のボラティリティ期待のため、長期トレンドの判断には向きません。
数値だけで判断すると誤解を招き、過剰なリスク回避や過信につながります。他の指標と併用し、より精度の高いデータを算出するようにしましょう。
VIX指数は市場心理の急変を即座に反映するため、短期リスク管理に活用しやすい指標です。
特に急落局面に備えたヘッジや、割安資産の見極めに利用できます。
市場が不安定な局面では、VIX指数が急上昇する傾向があるため、株式ポートフォリオの短期ヘッジとして利用可能。
代表例はVIXコールオプションやVIX先物の買いポジションで、市場混乱時に上昇した利益が株式の損失を相殺します。
先物取引にはロールコストが伴うため、運用期間は短期に絞ってトレードをすることをおすすめします。
ボラティリティの価格差を利用して利益を狙う取引のことで、特にコンタンゴ環境でのVIX先物ショートが知られています。
平時は利益を得やすい一方で、急騰局面では大きな損失を招くため、常にリスク管理を意識しましょう。
裁定取引を含め専門性が高く、基本的には経験者向けの取引戦略となります。
VIX指数は市場心理の過熱や恐怖の度合いを測るため、資産配分の見直しに役立ちます。
恐怖が強まった局面では割安資産の仕込み機会となる一方、低水準時には過度な楽観に注意が必要です。
市場のセンチメントを確認しながら、定期的なリバランスに取り入れることでポートフォリオ安定化につながります。
VIX指数は、市場の不確実性と投資家心理を可視化する重要な指標です。
ただし、短期的な変動期待を示すに過ぎず、VIX単独で相場を判断することは危険なため、他指標や経済イベントと併せて活用し、過度な恐怖や楽観を避け、冷静な判断をしましょう。
FXや株式取引ではボラティリティ・トレーディングは今後も拡大が見込まれるため、正しい理解をし、投資判断の大きな指標に役立てるようにしましょう。
VIX指数は将来の株価の方向を予測する指標ではなく、変動の大きさ(不確実性)を示すものです。
高いVIX指数は市場心理の悪化を示しますが、必ずしも株価下落に結びつくとは限りません。
先物ロールコストの影響で価値が減少しやすいため、長期保有には向きません。
一般的に10〜20が平常範囲とされますが、市場状況によって適正水準は変化します。
直接的な関係はありませんが、取引量の増加は心理変化の反映としてVIX指数が動きやすい傾向があります。
VIX指数はS&P500の変動期待を示す指標であり、個別銘柄分析には専用指標を使う必要があります。
取引を次のレベルへ
口座を開設して、早速トレードを始めましょう。
Maki Miyai
SEOコンテンツライター
Maki Miyaiは、日本語のSEOライターとして5年以上の経験を持ち、仮想通貨・FX・株式など、日本人投資家やブローカーが注目する投資分野の情報をわかりやすく解説しています。常に最新の市場動向を追い、読者が飽きずに学べるタイムリーな記事作りを心がけています。
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