NTT株価の今後10年間の見通しは?NTT(9342)株は今買うべき?2026年から2030年にかけて上昇または下落か?-XS

NTT株価の今後10年間の見通し|NTT(9342)株は今買うべき?2026年から2030年にかけて上昇または下落するのか?

Date Icon 2026年4月10日
Review Icon 執筆者: Maki Miyai
Time Icon 6 分

日本電信電話(NTT)は、国内最大手の通信事業者であり、政府が株式の3分の1以上を保有することが法律で義務付けられている特殊会社です。
固定電話・携帯・インターネットインフラの提供を中心に展開し、通信事業は国内で高いシェアを持ち、法人向けネットワークや国際通信も取り扱っています。

NTT株は爆発的な成長こそ期待し辛いですが、通信インフラによる安定収益と高配当を基盤に、IOWNなどの次世代技術が評価されれば中長期で再評価余地のある銘柄です。

ポイント

●    政府保有株の売却懸念とNTT法を巡る不透明感が重石となり低迷が続いている
●    2026年以降は次世代光通信「IOWN」の商用化とデータセンター事業の収益化が鍵
●    将来性を見据えた「配当+成長」のハイブリッド型長期投資としての価値
 

NTT社・NTT株とは

NTTグループはNTTドコモ、NTTデータ、NTT東日本・西日本などを擁しており、インフラからITソリューションまで垂直統合型のビジネスを展開。

近年では、光電融合技術を用いた次世代ネットワークの研究開発に注力しています。



NTT株価の推移

近年のNTT株価は、2023年7月の25分割という大規模な株式分割が転換点となりました。分割直後は個人投資家の流入で活況を呈したものの、その後は150円〜180円付近でのボックス圏、あるいは軟調な推移が続いています。

 

日経平均株価が最高値を更新する局面でも、ディフェンシブ銘柄としての性質や、後述するNTT法改正に伴う不透明感から、市場全体の上げ潮に取り残される場面が目立ちました。

近年の株価の推移は、ピーク時と比較すると横ばい〜やや弱い傾向が続き、短期的なトレードよりも長期・安定配当重視の投資目的が多いことが特徴です。

 

NTT株価のバリュエーション分析(2026年4月時点)

株価平均値

150円〜160円

年初来高値

161円(2026年1月6日)

年初来安値

150円(2026年3月9日)

PER(予想)

13.09倍

PER (実績)

11.75倍

時価総額

約13.86兆円

配当利回り

3.46%(会社予想)

(参照:Yahooファイナンス NTT株

 

2026年2月の業績下方修正(2025年度 第3四半期決算にて)発表以降、株価が軟調に推移したことで、時価総額もやや減少傾向にあります。

2026年5月8日に予定されている本決算発表にて、来期(2027年3月期)の増配継続や自社株買いが発表されるかどうかが、今後の株価に大きく影響を与えるでしょう。

 

(出典:Google ファイナンス NTT株)

 

NTT株価はなぜ下がったのか?

NTTの株価が軟調な背景には、単一の要因ではなく、複数のマイナス材料が複雑に絡み合っています。特に2024年からは、好業績を発表しても株価が下落する状態が続き、投資家を悩ませています。

ここでは、その構造的ないくつかの要因を整理します。

 

政府保有株による「成長制限」

NTT株の最大の特殊性は、日本政府が発行済み株式の3分の1以上を保有することが義務付けられている点です。

防衛費増額の財源確保策として「政府保有株の売却」が議論に上がる度に、投資家の間では需給悪化への警戒感(オーバーハング)が強まります。

 
現在市場に出回っていない「数兆円規模の株が市場に供給される」という懸念は、株価の上値を抑える強力な重石となっています。

また、日本政府の関与が続くことで、民間企業としてのスピーディーな意思決定や投資判断が制限されているという見解も、成長株としての評価を妨げる要因です。

 

成熟産業としての低成長イメージ

日本のモバイル通信市場は、普及率が飽和状態にある成熟産業と言えます。政府主導の通信料金値下げ圧力や、格安プラン(ahamo等)への移行に伴うARPU(1契約あたりの平均収入)の低下により、国内モバイル事業だけでは大幅な利益成長を導きにくいことが現状です。

 

2025年以降の業績予想では、増収しているが先行投資がかさむ減益懸念が報じられることがあり、投資家による「安定しているが、成長性がない」というイメージを払拭できずにいます。

 

株式分割後の需給

NTT株は2023年7月の25分割により、1株100円台という「超低位株」に近い価格帯になりました。これにより少額投資が可能になった反面、以下のようなデメリットが生じています。

  • 短期資金の流入:1円の変動が資産に与える影響が相対的に大きくなり、デイトレーダーや投機的な短期資金の割合が増加。

  • 株価の硬直化: 出来高は増えたものの、売り買いが交錯しやすく、上昇トレンドが発生しにくい「重い」銘柄という印象が定着。

株価が下がり、誰でも買える株になったことで、皮肉にも希少性やブランド価値を薄め「魅力がなく成長性に期待できない株」という位置づけになりました。

 

海外投資家からの評価が低い理由

海外の機関投資家は、自己資本利益率(ROEや株主還元、そして資本効率といった数字を基に厳しく判断します。

 

NTTは潤沢なキャッシュを抱えながらも、NTT法の制約により機動的な自社株買いや海外M&Aが制限されているため、資本効率が悪いという懸念があります。

 

さらに、「国策」に左右されやすい経営体質は、世界的な投資判断基準ではリスクと見なされがちです。

日経平均が史上最高値を更新する中でNTT株が取り残された背景には、構造的な割安放置(バリュートラップ)の問題が解消されていないことが挙げられます。

 

NTT法を巡る今後の先行きとリスク

1985年の民営化時に、NTT法(日本電信電話株式会社等に関する法律)が制定され、NTT株価に影響しやすいため、投資判断の際には押さえておきましょう。

これが制定されたのは、NTTを単なる民間企業ではなく、国の基幹インフラを担う存在として位置づけ、一定の規律を課すことを目的としているからです。

 

NTT法の概要

NTT法(日本電信電話株式会社等に関する法律)の主な内容は以下の通りです。

 

  • 政府の株式保有義務: 政府が発行済み株式の3分の1以上を保有すること。

  • ユニバーサルサービス義務: 日本全国(離島を含む)に固定電話サービスを提供すること。

  • 研究成果の公開義務: 開発した技術を広く公開し、普及に努めること。

  • 外国人役員の制限: 取締役等の3分の1以上を外国人が占めることを禁止すること。

 

2024年の改正により、「研究成果の公開義務」の撤廃や「外国人役員の制限緩和」が進みましたが、依然として「政府の株式保有」や「事業の自由度」については議論が続いています。

 

規制が株価に与える影響

これまでの厳しい規制は、投資家からの視点では経営の非効率性として映っていました。

例えば、NTTが独自の 優れた技術(IOWNなど)を開発しても、公開義務があれば独占的な利益を得にくくなります。

また、外国人役員や外資比率の制限は、グローバル化する業界で活躍できるスキルや潤沢な資金を呼び込む上での「心理的・物理的バリア」となってきました。

さらに過疎地での固定電話維持コストが、利益率を押し下げる要因にもなります。

 

規制があることで、マイナス面が目立ち、NTT株は「実力はあるのに本来の価値(バリュエーション)では買われない」という状態が長く続いてきたのです。

 

NTT株の将来性はある?2026〜2030年の成長シナリオ

NTT株をめぐっては「安定はしているが成長しない」「もうオワコンでは」といった意見が囁かれることがあります。

しかし、アナリストによる2026年~2030年の予測では、NTTは「インフラ×テクノロジー企業」へと評価軸が変わる可能性を秘めています。ここでは、その将来性を4つの軸で整理していきます。

(出典:TreadingView NTT株予想

 

通信事業の安定成長

国内の個人向け通信事業は飽和状態ですが、2026年以降、NTTドコモを中心とした法人向け「5G SA(スタンドアローン)」の普及が収益の質を変えると言われています。

単なるスマートフォンの回線契約ではなく、建設機械の遠隔操作、AIカメラによる工場自動化、自動運転のインフラ基盤として、企業のDXに不可欠な存在となります。

 

解約率(チャーンレート)の低い法人契約の比重が高まることで、景気に左右されない強固な収益基盤がさらに安定化します。

 

IOWN構想

2026年は、NTTが掲げる次世代光通信基盤「IOWN」が実験段階を終え、本格的な商用展開へと踏み出す年です。 現在、世界中のデータセンターが生成AIの爆発的普及による「電力不足」という問題に直面しています。


NTTが開発した「光電融合チップ」は、従来の電気信号を光信号に置き換えることで、消費電力を大幅(100分の1)に抑える画期的な技術です。

 

2026年第4四半期には、光電融合デバイスの商用サンプル提供が始まる予定です。

2030年までの本格普及に向け、世界の通信・テック企業と標準化を進めており、インフラのライセンス収入という新たな収益源を狙っています。

 

データセンター・海外展開の収益性

NTTは世界第3位(※国内1位)のデータセンター事業者という地位を確立しています。

国内通信だけではなく北米、欧州、インドなどでのデータセンター投資を加速させています。今までは場所を貸すだけの「不動産型」から、IOWNを組み込んだ「省エネ・超高速型」データセンターへとシフトしていき、アマゾン(AWS)やマイクロソフト(Azure)といったハイパースケーラーのパートナーになることを視野に入れています。

2030年へ向けて、海外利益比率の上昇は株価の再評価の最大のトリガーとなるでしょう。

 

AI・半導体・非通信分野の成長

NTTが開発した国産LLM(大規模言語モデル)である「tsuzumi(つづみ)」は、OpenAIなどの巨大モデルとは異なる戦略で勝機を見出しています。

専用の機密システムが必要な業界(医療、金融、公共)に特化し、小規模なサーバーでも高速に動作する省エネシステムを作り出しています。

 

高いセキュリティ性で、企業内データを外部に漏らさないクローズドな環境でのAI活用に最適化。 2026年には「tsuzumi 2」への進化と共に、日本を代表する大手企業での全社導入事例が続出しています。

AIを提供する側として得る収益が、これまでの通信会社という枠組みを大きく突き抜ける原動力になります。

 

NTT株の強み・弱みを大型株と比較

投資先としてNTTを検討する場合、他の国内大型株と比較することでその立ち位置が明確になります。

 

NTT株の強み|安定性・配当・独占性

NTT株の最大の強みは、事業の安定性と不況への耐性です。トヨタ自動車のような景気敏感株(シクリカル銘柄)と異なり、景気が悪化したからといって通信(インフラ)を止める決断をする人は少ないです。

また、14期連続増配という実績は、投資家に対する「裏切らない姿勢」の象徴といえます。

 

弱み|成長スピード・規制・株価爆発力

NTT株の弱みとして挙げられる点は、企業として成熟しきっていることです。NVIDIAのように1年で株価が数倍になるような爆発力(キャピタルゲイン)は期待できません。

また、前述したNTT法のような政治的リスクが常に付きまとうため、純粋に評価されにくい側面があります。

 

他の大型株と比べた立ち位置

銘柄

性格

主なリスク

期待リターン

NTT

ディフェンシブ・長期増配

規制、政府株売却

低〜中(安定志向)

トヨタ

景気敏感・グローバル成長

為替、EVシフト

中〜高(景気連動)

三菱UFJ

金利敏感・バリュー

金利動向、海外不況

中(利回り期待)

 

NTTは、ポートフォリオの「土台」を作りリスクを下げる銘柄です。攻めの成長株(ハイテク・半導体株など)が暴落した際に、資産を守るクッションの役割として位置づけるといいかもしれません。

 

NTT株は2026年の今、買うべき?

「NTT株は今は買い時か?」という迷いを持つ方は多いと思います。2026年現在の市場環境を踏まえた結論としては、「資産の爆発を狙うならNO、老後の安定や配当目的ならYES」です。

 

長期投資目線での評価

2026年4月時点の株価(150円〜160円近辺)は、将来のIOWNやAI事業の成功をほとんど織り込んでいない「割安放置」の状態にあります。

配当利回りが3.4%3.5%に達する150円台前半タイミングであれば、配当を再投資し続けることで、2030年の結実期に大きな資産形成が期待できます。

 

下落局面での考え方

ドコモの販促費増に伴う下方修正やNTT法を巡るニュースで株価が下がる場面は、絶好の「ナンピン(買い増し)」チャンスです。

PBR(株価純資産倍率)が1倍を割るような場面や、配当利回りが4%に近づく局面は、歴史的に見ても強力なサポートライン(下げ止まり)となります。

 

まとめ|NTT株の安定と将来性をどう捉えるか

NTT株は、成熟した「モバイル通信業」から、IOWNやAIを軸とした「次世代のテック企業」へと進化する過渡期にあります。

政府保有株やNTT法といった政治的ノイズで株価が抑制されやすいですが、新技術の商用化が進めば、世界的にも再評価され、株価の成長が見込めます。

 

現時点の株価は低迷気味ですが、目先の変動に惑わされず、安定した配当を受け取りつつ将来性を見据えましょう。今こそポートフォリオの土台としてNTT株を据える価値があると言えます。

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よくある質問

企業の時価総額や業績に変更はなく、単に購入しやすくなっただけですが、短期資金が入りやすく値動きが重くなる傾向はあります。

NTTは株主資本配当率(DOE)を指標としており、安定的な還元を重視しているため、減配のリスクは極めて低いと考えられます。

市場への供給増により一時的に下落する可能性がありますが、国策としての安定性を背景に「絶好の買い場」と捉える投資家も多いです。

2026年頃からデバイスの商用展開が始まり、2030年に向けてデータセンター事業などでの収益貢献が本格化する見通しです。

外資との提携や機動的な経営判断が可能になり、グローバルな「テック企業」として株価倍率(PER)が再評価されることです。

急騰は期待しにくいものの、IOWN構想や非通信分野が収益化すれば、中長期で再評価される可能性はあります。

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Maki Miyai

Maki Miyai

金融テクニカルライター

Maki Miyaiは、デジタル金融市場に5年以上の経験を持ち、信頼性の高い記事を制作してきたテクニカル金融ライターです。 綿密な市場調査と分析に基づき、トレードや投資に関するテーマを明確で実践的に解説することを専門としています。 また、複雑な金融知識を初心者から経験豊富なトレーダーまで理解しやすいよう解説することに強みを持っています。

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